17SSシーズンから取り扱いをしている【NICHOLAS DALEY】。
ジャマイカ人の父親とスコットランド人の母親を持ち、文化的に多様な環境の中で育った、自身の特異なバックグランドを反映したコレクションを展開しています。



先日、そのデザイナーのニコラスがはじめて来店してくれました。
短い滞在時間でしたが、その時にブランドや自身のことについて、いろいろとインタビューさせてもらいました。



― まずはニコラスのキャリアを教えてください。

私はセントラルセントマーチンズ大学で4年間ファッションデザインを勉強し、パターンやカット、ドレープなど服作りの基礎を学びました。在学中に、PAUL SMITHとサヴィル・ローにあるテーラーで、インターンとして働いた経験もあります。卒業後、Dover Street Market Londonでリテールの仕事を学び、NIGEL CABOURNでも働きました。これらの経験は、メンズウェアのブランドがどのようにあるべきか、イギリスメイドの服作りを理解する上で、素晴らしい経験となりました。その後、2015年春夏から私自身のブランドを制作しています。現在は、2018年1月にロンドンファッションウィークでの発表に向けて、8回目となるコレクションに取り組んでいます。


― デザイナーになりたいと思ったのはいつからですか?きっかけは?

常にクリエイティブな人であろうとしてきたので、明確にいつからデザイナーになりたかったかと答えるのは難しいですね。きっかけも、いくつかあると思いますが、祖父が自分の履く靴を自分で作っていたり、父親がいつもお洒落をしていた影響もあると思います。ジャマイカの文化では格好よく洋服を着ることができているか確認しなければなりません。この精神を私も受け継いでいます。また、STUSSYのようなストリートブランドを扱っていた小さな店で働いていたこともあるので、ストリートウエアのサブカルチャーを感じる環境にいたのも大きいですかね。あと、尊敬するYohji Yamamotoのようなブランドに出会ったことも、大きなきっかけです。Yohji Yamamotoは単なる服作りではなく、洋服を通じて何か伝わるものを感じました。


― NICHOLAS DALEYとはどのようなブランドですか?キーワードを教えてください。

ブリティッシュ、ミックスカルチャー、モダン、クラフトマンシップ。


― 今シーズンのコレクションテーマは?

今シーズンのコレクションテーマは、『Black watch』です。私のルーツとして、母親がスコットランド出身であることから、スコットランドの伝統に着目。スコットランドに家族を訪ねたとき、タータンの歴史について研究しました。その際、ブラックウォッチ博物館を訪れ、織物の歴史について多くの興味深い発見をし、さらに様々な地域のタータンの進化に注目しました。


― あなたの作り出すものは、最近多く見られるジェンダーレス、ラグジュアリー、ストリートといったものとは異なる、男臭さ、男の色気、時には不良っぽさなどを感じます。どのようなことからインスピレーションを感じていますか?

私はいつも、様々な音楽や、目にするもの、個人的に特別に感じたこと、それと自分自身のルーツを調べることから、インスピレーションを得てコレクションを作ります。トレンドなどは意識しないで、ただ情熱を感じる服を作ろうと思っています。


― 服をデザインするにあたり、意識していることはありますか?

私は、ヴィンテージの服と個人的な研究の組み合わせから、服作りにアプローチしています。歴史的要素と現代的要素の両方を取り入れた衣服を、構築したいと考えています。たとえば、シェットランド羊毛のような古い英国の伝統織物を使用し、それを活かしながら現代的なシルエットを組み合わせて衣服を作るようなことです。


― 安い工賃を求めた海外での生産が見直されたということもあると思いますが、今の日本のブランドは自国の古き良きモノづくりを大事にするところが増えています。あなたの服も全て英国製ですが、その点はどのようにお考えですか?

私の製品はすべて英国で作られています。私は最初のコレクションを制作して以来、常に伝統的な英国の技術を取り入れています。私は歴史を持つイギリスの製造業に強いこだわりを持っています。英国シェットランドウールやスコットランドのキルトメーカーなど、伝統技術は守り続けるべきだと考えています。


― 少し早いですが、2018春夏コレクションについてお伝えください。

2018春夏のコレクションテーマは『Madras』。これは、私が2017春夏と2017秋冬の両方のシーズンで取り組んできた継続のテーマです。私はタータンの歴史を研究しています。世界中のチェック生地をみて、南アジアのマドラスチェックの織物に注目し、イギリスがこの地域にどのような影響を与えたのかに興味を持って見ています。ビクトリア&アルバート博物館の南アジアのテキスタイルチームと仕事をして、非常に素晴らしい経験ができました。それは、1855年以来の衣類や生地のアーカイブを見ることができたということです。そのアーカイブの職人技や色使いに非常に感銘を受け、それがコレクションにも活かされています。
6月にロンドンファッションウィークにて、2018春夏コレクションを発表しました。その際、Nabihah Iqbal(Throwing Shade)による南アジアのシタールの音楽を演奏、日本のクンバ・インターナショナルと香りをつくりショーを演出しました。


― 当店のスタッフにもファッションを勉強している学生がいるのですが、何かアドバイスはありますか?

これは私が学校の先生に言われたことなんだけど、仕事を好きでいつづけることが大事。誰に何を言われようと、どんなふうに見られても自分に正直に、自分の信念を貫き通すこと。これは今でも私が大切にしていることです。


― 今後NICHOLAS DALEYをどのようなブランドにしていきたいですか?ビジョンがあれば教えてください。

自分のブランドをゆっくりと成長させ、KINKのような私のブランドを本当に理解し、大事にしてくれるお店で、取り扱っていただきたいと思っています。現在、いくつかのコラボレーションに取り組んでいます。これまでコレクションに取り入れていない要素として、新しいスタイルを追求するためのすばらしいアイテムになると思います。今後も本当に作りたい洋服、そして人に感動してもらえるような洋服を作り続けたいと思っています。


190pの大柄な体格と同じように、寛大で優しく、そして強い芯を持っている若きデザイナー。
今後の活躍も楽しみです。    
   
またね!


通訳してくれたSっち、撮影してくれたTっちゃん、本当にありがとう!!