【MAN-TLE】
BOAT SHIRT – european eco horse leather / R15L3
入荷前よりあれやこれやと想像を膨らませてきたMAN-TLEのレザージャケット。
ブランド初と言うこともあり否が応でも期待は高まる訳です。
そのマントルのレザージャケットが数日前にようやく届いた。
実物は僕の想像と期待をはるかに超えていた。
その出来栄えは一言で「最高!」なのだ。
レザージャケットと言えば、ライダースに始まり、ワークやミリタリー、テーラードなんかもある。だけれど、このマントルのレザージャケットはどこにも属さないし、どのジャンルにも当てはまらないように思う。しいて言うのであれば「マントルのレザージャケット」だろうか?そうとしか言いようがないほどマントルらしさに溢れている。
では、僕が見たそのらしさとは・・・
革はヨーロッパ産のホースレザーを日本の姫路でベジタブルタンニン鞣ししたものを使用。ホースレザー特有のきめの細かいなめならかな銀面はさることながら、ベジタンによる柔らかさと風合いがとても良い。またこの革は食肉用として屠殺(とさつ)される馬の皮を、その命を無駄にせず最後まで活用するという考えのもとにマントルが選んだ革でもあります。このようなエシカルな考え方もマントルらしさの1つではないでしょうか。
レザー製品自体に様々な意見はあるのと思うのですが、畜産業が存続する限り、その副産物として加工されるべき皮は必ずでてきます。つまりは、廃棄物を出さないという点においてはエコな取り組みの一環となるわけです。
らしさはボタンにあり。
マントルは勿論ファッションブランドではあるが、モノ作りのアプローチは他のブランドとは少し異なる。彼らが作り出す服には、ファッション的な側面と、耐久性、信頼性、そして実用性を兼ね備えたプロダクト的な側面があります。・・・それであるが故、無駄を省いたミニマルでシンプルなデザインが多いように思うのです。
使用されているボタンも然り、レザーウェアに付けられるボタンとしては珍しい金属製のボタンを採用しています。マントルではお馴染みとなっているこのボタンは、耐久性と実用性を兼ね備えた非常にタフなもの。元々はスポーツカーのルーフを留める金具として使用されていたドイツ製のパーツで、留める度に鳴る「カチッ」という音が癖になります。
有機的な革に対し無機的な金属製のボタン、この組み合わせやボタンの数・間隔などが秀逸なのだ。
特徴的な楕円のポケットはフリーハンドで描いたもので、ハードなレザージャケットのイメージをマイルドに中和している。また、ポケットの形状からは・・・僕だけだろうか?どこか未来的な雰囲気を感じるのです。ボタンと同様、革に対し相反するフューチャリスティックさが、このジャケットの不思議な空気感を作り出しているようにも思えるのです。
その他、ラグランスリーブ、ワイドで短めな身頃・・・その全てのバランスもまたマントルらしい部分。因みにですが”BOAT SHIRT”の名の由来は特にはなく、シンプルにイメージからのネーミングとの事です。
【MAN-TLE】
DEEP CAP – paraffin wax coating / R0C3
【MAN-TLE】
BOAT SHIRT – european eco horse leather / R15L3
【Slopeslow】
GOB SWEATER / 1233009
【toogood】
THE SKIPPER JEAN – organic denim
「こう来たか!」と久しぶりに思わせてくれた。
派手さはないけれど、その静かな表情のなかにあるものは、間違いなくワクワクを生み出している。
結果、僕は高揚感と共になぜか敗北感にも苛まれたのである。
完全なる敗北・・「完敗です。」
イソムラ