CONCETTO 「コンチェット」とは、英語のコンセプトのイタリア語訳です。 私たちが「概念」「構想」を表すコンチェットという言葉を採用したのは、何かを作り出すに思考の基礎となる考え方に常にヴィンテージウェアがあり、実はそれが今やとても曖昧な存在だからです。 多くのファンがいるヴィンテージウェアの世界では、一般的に語られている史実や用途の中に事実もあれば、誤って伝わっているものも少なくありません。 それは時の流れの中で、 少しずつ正しい資料が失われ、真実がわからない事が多い世界だからです。しかしそんな中、先駆者である多くの方々に残された資料を研究し、このような使われ方をしていたのではないか、と少しずつその曖昧な世界を開拓し、後世に伝えてきました。 そして私たちも先駆者たちの例に漏れず、チームでその曖昧なものを、日々新しいもの作りに活かせないかと考えを巡らせています。 実は私たちは、これこそがヴィンテージウェアの魅力だと考えています。 この衣服の製作者は、何をもってこんなデザインを考えたのか。 その思考を辿る瞬間、探求者の意識は過去に飛び立ち、時代のロマンや厳しさを想像させる至福の時間となるのです。それが正しくともないでも。 ゆえに私たちの根幹にあるヴィンテージウェアは、 正解のある存在でも物作りとしての「概念」と捉え、再構築して行きたいという想いから、ブランドの名前と致しました。
※CONCETTO press release より抜粋
デザインコンシャスなものが好きです。
でも、今シーズンは少し気分が違う。
しっかりとしたルーツや歴史があり、それぞれのディテールにきちんとした用途や意味がある。
そんな服が妙に気になる。
オーセンティックなもの。
今シーズンよりチカラマチラボで新たに取り扱うこととなった“CONCETTO”(コンチェット)は、本物を知る大人が本気を出し、拘りに拘りぬいて作り上げた正真正銘本物な服です。そんな「本物な服」を作るコンチェットより今回は代表的な2型をご紹介したいと思います。
【CONCETTO】
BRITHISH TRENCH COAT
世の中に数多とあるトレンチコートですが、 “CONCETTO”のトレンチコートって他と何が違うの?
■生地について
とある文献から見つけたギャバジンの起源、そこには羊毛100%もしくは羊毛・綿の交織とある。そこを大切に作っていきたいという強い思いから、経糸ウール緯糸コットンのギャバジンを採用したとのこと。3本撚りの組織に拘り、しっかりとした質感をもちながらも、しなやかなドレープが生まれるようエレガントな風合いに仕上げています。また、先染で経糸と緯糸の色を変えて織り上げシャンブレー感を出し、光沢と奥行きを作り出しているのも特徴です。
■ディテールについて
特徴的な深く重なる前身頃、今日ではあまり見かけることのない仕様ですが、これによりエレガントで力強い印象を与える大きなラペルを作り出すことが出来ます。また、それが前を開けて着用した際の美しいドレープにも繋がるのです。ベースとなるヴィンテージコートのディテールを踏襲し、アンブレラヨークやインバーテッドプリーツをなくし、切り替えのない贅沢なワナ裁ち(背中心に裁ちのない仕様)で仕上げています。 十分なゆとりを含んだAラインのコートにそれらは不要ということだけではなく、ベルトを絞った際の裾ハネや自然な背中の丸みも作り出しています。
前途した拘りも然り、特に強い思いを注いだのが一枚袖のパターンです。
世の中に一枚袖のコートはいくつも存在します。しかしながら、その多くは直線のパターンで作られたものが殆どです。それらは着用時に無駄な皺を多く作ってしまい美しくない。その皺を極限まで無くすべく、熟練のパタンナーにより幾度となく微調整を繰り返し導き出したのが、前後の運動量を等分にして緩やかな弧を描いた“CONCETTO”自慢の美しい一枚袖と言うわけです。
【CONCETTO】
BRITHISH TRENCH COAT
【RIER】
WALKER GILET UTILITY / JKT20 – FELTED
【HEUGN】
“JAMES WHITE” POPLIN REGULAR COLLAR SHIRT
【BERNARD ZINS】
H3 / 71308-200
【F.LLI Giacometti 】
Chukka Boots – SUPER BUCK / FG599
次はタイロッケンコートです。
ベースとしたのは60年代バーバリーの個体。初期型、中期型、後期型に区別される同コートのうち初期型にあたるのがコンチェットのタイロッケンコートです。因みにですが、昨今よく見かけるベルトを和服のように服の中をぐるりと通すタイプが後期型となります。
【CONCETTO】
TIELOCKEN COAT
■生地について
トレンチコートと同じく、経糸ウール緯糸コットンからなるギャバジン。しっかっりとしたコシを持ちながらも、美しいドレープを作り出す本当に素晴らしい生地です。
■ディテールについて
ホック付きの大ぶりな襟と8カンが並ぶベルト、無駄のないシンプルな表情は洗練された美しさを感じるほどです。中を開けば堅牢な錨ホックの内掛けベルト、前を閉じたまま内部にアクセスできる貫通ポケット、そして雑誌や新聞が入るほどの大きな袋布のマガジンポケット。 こうした見えない部分にも妥協なく素晴らしいディテールの数々が隠されています。
タイロッケンコートもトレンチコートと同じく一枚袖に強い拘りを注いでいます。
2者の一枚袖、実は全く同じパターンではなく、トレンチコートに比べるとタイロッケンコートの方がやや細く作られています。これは単にベースとなるバーバリーのコートの年代が違うということ・・・兎にも角にも、どちらも拘りに拘りぬいた究極ともいえる一枚袖に間違いはないのです。このストレスを感じない肩から袖にかけての収まり感は、ちょっと他にはないかもしれません。
最後に、トレンチコートとタイロッケンコートとの共通の拘りとして台襟の縫い方が挙げられます。
襟付けの外側はミシンでしっかりと縫い付けますが、内側は手まつりで閉じていきます。手縫いすることによりふんわり柔らかく仕上げることが出来るため、首元に馴染みやすい襟となるのです。因みに、貫通ポケットのところも手で・・・っと、こんな感じでどちらのコートにも、まだまだ語りどころは山のようにある訳ですが、長くなりすぎますので、それは店頭で説明させてください。
【CONCETTO】
TIELOCKEN COAT
【Slopeslow】
LINKS STRIPES CARDIGAN / 1233012
【Olde Homesteader】
US005 MIL Mock Neck Long Sleeve – INTERLOCK
【T.T】
ENGINEER TROUSERS / LOT. 204
【F.LLI Giacometti】
Plain Toe Shoes – TCHERKESS / FG601
「飽きずに長く着られるコートが欲しい」、「とにかく良いコートが欲しい」とお考えの方に、今シーズン、チカラマチラボではコンチェットのコートをお勧め致します。
先ずは店頭でその素晴らしさを体感してください。
きっと満足してただけると思います。
イソムラ