一昨日の【HUSBANDS】、昨日の【CONCETTO】と[kink chikaramachi lab.]のブログでスーツやコートといった大人っぽいアイテムの紹介がありましたが、[kink sakae]でそんなポジションといえば1階でご紹介している【Bergfabel】でしょうか。

前回のブログではシャツをピックアップしましたが、今回はブランドのシグネチャーモデルともいえる”TYROL JACKET”をご紹介します。

 

 

今期チロルジャケットでピックしたのはネイビーのウールフランネル生地とグレーのウールリネン混紡生地、そしてゴートスウェードの3パターン。

単なる色違いではなく、本来なら採用するであろうジャケットのタイプも異なりそうな生地、素材なのですが、そのどれと組み合わせてもいい感じでまとまるのはチロルジャケットがカテゴライズされにくいブランド独自のスタイルだからでしょうか。

 

その中で個人的に購入したのはグレー。

 

リネンらしい亜麻色と黒の糸で織られてグレー調になった色合いが素朴ながら表情豊かで、リネンの程よいザラみにドライな質感、着用後のシワ感がムードをあげてくれます。このチロルジャケットは4ボタンなのが特徴で、ボタンの留め方でVゾーンが変化するので演出を色々楽しめます。この狭いラペル幅に合いそうと[kink chikaramachi lab.]で扱う【renoma】のタイをチョイス。カジュアルに使えるのでオフのスタイルにもってこいですよ。セットアップで購入していますがスーツとは違いますのであまり決めすぎず、まだフィニッシュしていないままの裾で楽しんでいます笑。
裾幅が細いのでグシュグシュにしたりロールアップしたり自由度があるんです。合わせた靴はお馴染みの″サジェネ″、そうそうまた11月にイベントを予定していますのでお楽しみに!
 
BERGFABEL
TYROL JACKET [J18] – VIRGIN WOOL & LINEN [196](Size:48)
FERMER PANTS [P151] – VIRGIN WOOL & LINEN [196](Size:46)
KIJIMA TAKAYUKI
FELT MOUNTAIN HAT [232920] / Black(Size:2)
CLASS
SALT SHRINKING HABUTAE SILK SHIRT [CCDA10UNI B](Size:2)
renoma
SILK NARROW TIE [TR3] / Black Jacquard
STUDIO-HIDDEN
[3rd GENERATION SHOES] 6EYELET OXFORD

着用スタッフ(身長170cm/体重60kg)

 

 

 

お次はネイビーを着てみました。

 

ぬめりがあって柔らかなドレープが美しいウールフランネルで、素材の質の良さをしっかり感じさせる艶をもったネイビー色がとても素敵です。型も素材感もブレザーではないですが、ネイビージャケットならこの合わせといえるチノパンをあえてシンプルに合わせてみました。そうすることでチロルジャケットの細い肩幅や丈のバランスが一層新鮮に映ります。ルーズ、ビッグシルエットに慣れすぎた今ではとても細く見えますが、袖の振りやソフトな芯使いでとても動きやすく、多少厚めのインナーも着れちゃいます。ボタンを留めるとちょっとタイトですが笑、こうしちゃってマフラーなんか巻けば十分寒い季節も過ごせそうですね。
 
BERGFABEL
TYROL JACKET [J18] – WOOL [187](Size:48)
KIJIMA TAKAYUKI
WOOL CASHMERE BASQUE BERET [KN-005A] / Navy(Size:Free)
NICENESS
“NIGEL” ALPACA MOCKNECK PULLOVER SWEATER / Off White(Size:M)
“E.PENNY” CHINO ENGINEER TROUSERS / Beige(Size:M)
F.LLI GIACOMETTI
WING TIP KILT MONK LOAFER – ANILOU [FG462] / T. Moro

着用スタッフ(身長170cm/体重60kg)

 

 

 

最後はレザー。

 

森に囲まれたチロル地方を思わせる色合いがたまらないスウェード素材で、薄く漉かれたまるで布のような山羊革は流石の表情です。イタリア製のレザージャケットというところをいかしたアウトドアライクなスタイルですが、このクシャっとした質感はCOMOLIと好相性、さらに先のジャケットとサイズが違ってこちらは50を着ているので抜け感が出ます。そのサイズ感とバランスを取って選んだトレッキングブーツはマルモラーダ、イタリアもの同士でよく合うに決まっていますね。
 
BERGFABEL
TYROL LEATHER JACKET [J18] – TAUPE GOAT SUEDE [L11](Size:50)
KIJIMA TAKAYUKI
MELTON 6 PANEL CAP [E-020B] / Black(Size:Free)
COMOLI
COTTON CASHMERE STRIPE PULLOVER SHIRT(Size:1)
TUKI
S/S WIDE TROUSERS – 8 WALE CORDUROY / Ebony(Size:2)
MARMOLADA
TREKKING BOOTS – SUPERBUCK [FG583] / Oliveball

着用スタッフ(身長170cm/体重60kg)

 

 

 

細部をみても特徴が色々。

 

ゴージラインが縫い留められているのはその代表的ディテールで、これにより襟を立てても自然な表情になります。もちろんそういう着方をするものなので、衿腰のない地衿で硬い芯も入っていません。袖は本切羽ですが、ボタンサイズが小さいものではなくフロントと同じなのでカジュアルさを演出してくれます。裏地はシャツ生地を採用しているのですが、このストライプはフェイスの生地に限らずそのシーズンではすべて共通になるようで、コートなども同じものが使われています。一般的に袖裏はキュプラ系を使う場合が多いのですが、高密度のハリ感のある生地なのですべりに支障はありません。ハンドメイドの柔らかな縫製が魅力的で、裾の膨らみ、浅く入るサイドベンツの表情などはそのいい例です。

 

 

 

ネイビーウール、グレーリネンウールの裏地はストライプ生地でしたが、ゴートスウェードの方は裏地が無地、袖裏も同様です。革なのでハギが生まれるのですが、フラップポケット位置や構造線に合わせて丁寧に切り替えられているので、デザインの崩れはありません。そしてなんといっても革の表情がいい!毛羽立ちがなくベルベットのような滑らかなタッチで触り心地がとても最高なんですよ。

 

 

色々説明しましたが、このチロルジャケットの良さはテーラードジャケットという響きから連想される堅苦しいものではない、チロル地方で昔農民達に着られていた作業着のようにとても実用的な一着というところじゃないかと思います。パンツはスラックスでもデニムでもいい、インナーも適当なシャツやスウェットだっていい、袖を通してもらえたらしっかりとその魅力を感じてもらえるはずです。

 

 

ホソエ

 

Posted by:sakae