はぎ合わされた布が、衣田さんの手によって一針、また一針と猫など生き物の姿に変わっていく。
それぞれの生き物が見せる、ふとした仕草や表情を纏った衣田さんの作品には、木や石から削り出された彫刻作品さながら、生命の一瞬の輝きに永遠の時間が与えられている。
ファッションブランドKHOKIが掲げるコンセプト、「人の手が見えるモノづくり」を最も表現したアイテムは、ビンテージのアメリカンキルトを使用したライダースジャケットであろう。
希少価値の高いビンテージキルトを無駄なく活用するため、裁断の作業は細心の注意を払って行われるが、計算された工程を経ても若干のはぎれが生じる事は防ぎきれない。
この価値あるはぎれに、ふたたび命を与える事が出来たら…
すべてはこの思いから始まった。
来る11/23(土)~12/1(日)の期間、Masayuki KinutaとKHOKIによる合同イベント
Masayuki KHOKI kinuta “Eye-(cat)ch”を開催いたします。
当イベントでは、このコラボレーションによる猫の作品、バッグ、Tシャツをご紹介します。
今回並ぶ猫の作品たちは、KHOKIがこれまでにコレクションで使用してきた 貴重なヴィンテージのアメリカンキルトと、オリジナルで制作したキルトやカンタのはぎれを素材としています。
はぎれとはいえ、ハンドステッチでキルティングされ、クラフト感や温かみが感じられるうえに、アメリカンキルトの多彩な色使いや、KHOKIの大胆な色彩感覚が表現された生地。それらが衣田さんの手により猫の姿になり、視覚的にも強く目を引かれる作品となっています。
バッグは、衣田さんの半立体作品Wall Catを、KHOKIチームが探してきたヴィンテージのトートバッグに自らの手で取り付けてコラージュ。レザーのチャームやハンドルラップも。
Tシャツは、KHOKIが24AWで展開しているSTAFF T-shirtのロゴと、今回の猫の作品を組み合わせたデザイン。目の部分は、KHOKIチームが用意したボタンの中から選んでいただき、その場で縫い付けてお渡しとなります。
11/23(土)、24(日)の2日間は、衣田氏、KHOKIチームも在店。
今回も楽しいイベントとなりそうです!
ぜひ、ご来店くださいませ。
キヨハラ
𝗠𝗮𝘀𝗮𝘆𝘂𝗸𝗶 𝗞𝗛𝗢𝗞𝗜 𝗞𝗶𝗻𝘂𝘁𝗮
“𝙀𝙮𝙚-(𝙘𝙖𝙩)𝙘𝙝”
𝗱𝗮𝘁𝗲 : 𝟭𝟭/𝟮𝟯𝘀𝗮𝘁. – 𝟭𝟮/𝟭𝘀𝘂𝗻. 𝟭𝟮:𝟬𝟬-𝟮𝟬:𝟬𝟬
𝗽𝗹𝗮𝗰𝗲 : 𝗸𝗶𝗻𝗸 𝗰𝗵𝗶𝗸𝗮𝘁𝗮𝗺𝗮𝗰𝗵𝗶 𝗹𝗮𝗯.
MASAYUKI KINUTA
1974年奈良県生まれ。キノコ学者を父に持ち、幼少の頃から動植物や昆虫などに強い興味を持つ。
十代から絵画の制作をはじめ、その傍ら音楽活動も開始。1993年、平面表現に行き詰まりを感じていた時に、着なくなったデニムの端切れを用いて作品の制作をはじめる。
ParisのセレクトショップANATOMICAのピエール・フルニエ氏をはじめ、多くの洋服関係者の目に留まる。
2008年の個展を最後に、拠点を関西から東京に移す。上京後、アートプロデューサーに見出され企業のCSRプロジェクトに参加。
その他、ファッションブランドとコミッション契約し制作を請ける。
2020年、コロナ禍で立ち止まった。自分の表現したいものは作れているのか?
2021年、13年ぶりに自身の名前で作品発表を行う。
父譲りの観察力をもとに、布を用いてオールハンドメイドで数々の動物を創り出す。
一口に布といっても、尾州のスーツ地の桝見本素材からアンティークリネン生地に至るまで、小さなはぎれをつなぎ合わせ、本物さながらの驚くような躍動感を表現する。瞬間を切り取った猫、眼光の鋭い梟、そして不思議な魅力を感じるウサギなど… その作品の数々は、誰もが子供のころに感じた動物の不思議な魅力と、最も大事にする、何とも言えない表情を持つ”布の彫刻”である。現在は、都内ギャラリーにて新作を発表しながら、国内各地で作品を展開中。
KHOKI
「民族」「クラフトマンシップ」「前衛」「幼少時代」をキーワードに、加速し続ける消費社会のアンチテーゼとして先人たちが残した技術や文化を尊重し、自分たちのエゴや解釈を加えて作りすぎないことをコンセプトとしている。
クラフトマンシップのリサーチや民族への関心が強く、そのような要素と現代を生きる自分たちが作る意味として、新しい要素を加えて一つのコレクションを作り上げる。ブランドにデザイナーというポジションはなく、チーム全員がデザイナーとしている。
2022年にはファッションアワード「TOKYO FASHION AWARD 2023」を受賞。
世界的ファッションプライズ「LVMHプライズ2024」のセミファイナリストに選出される。