いつの間にかとても素敵な靴が入荷しておりました♪
【Le Yucca’s】(レ・ユッカス)
日本人シューズデザイナーである村瀬由香氏が手掛けるシューズブランド。村瀬氏はナイキ、ダンロップ、ブリジストンなどでプレーヤー個々のシューズ開発を経てイタリアに渡り、その設計経験をいかしてファッション界でのシューズ開発をスタートしました。MAX&CO、 VIVIENNE WESTWOOD に続き、Gian Franco Ferre、Sutor Mantellassi、ENZO BONAFE社を手がける事でハンドメイドに興味を得て、そこに特別性をプラスさせた独自ブランドとして生まれました。「オーセンティックモダン」をコンセプトとしています。
このLe Yucca’sの靴を生産しているのが、ENZO BONAFEなのです!こちらも説明を。
【ENZO BONAFE】(エンツォ・ボナフェ)
創業者のエンツォ・ボナフェはイタリア靴の名門“ア・テストーニ”で修業を積み、1963年に創立。クオリティーに細かく気を配り、職人芸を実現し保ちつ続けることをポリシーとし、ローマ法王(ヨハネ・パウロ2世)に愛用されたこともあるほどです。イタリアのボローニャに工房を持ち、職人による手縫いのグッドイヤーウェルト製法で丁寧につくられています。ボナフェはイタリアの誇りと言われており、ブランド40周年を記念する際、イタリアにとって重要な企業、イタリア文化振興に寄与した企業100社の内1社として、大統領より表彰を受ける栄誉を与えられました。
今回入荷した靴は、メンズサイズとしては国内でkinkのみの取り扱いです!
デザイン、つくり、全てにおいて強いこだわりが見られるスペシャルなこのモデルは、限られたセレクトショップでのみの展開となり、レディースサイズはARTS & SCIENSE(アーツアンドサイエンス)さんでお取り扱いがありました。
気持ちが入りすぎて前置きが長くなりましたね^^; 本当にこだわりが多く、どの部分からご説明しようか迷ってしまうのですが、 まずは写真をご覧下さい!!
【ENZO BONAFE per Le Yucca’s】
Nixon / Y15309
price : ¥157,500
最初に目が行くのはクレイジーパターンに切り替えられたアッパーのレザーではないでしょうか。様々な革を色別に組み合わせたクレイジーパターンです。
CALF (GRAY)
CALF (NAVY)
CALF (GREEN)
これら3色のカーフは、DU PUY(デュプイ)社製のものです。DU PUY社は、最高級カーフの専門タンナーとして1948年に設立されました。本国フランスやスイスなどヨーロッパ産の高品質の原皮のみを厳選して使い、研究を積み重ねて独自に編み出したクロームなめしや染色技術を駆使して作り上げられたカーフは、各国の高級メゾンや有名皮革メーカーに供給されています。エルメスを顧客に持っていることでも有名です。
写真でもきめ細かい上質な革だというのが伝わってきますね!優れた染色技術により、ダークトーンながらも良い発色です!
BOX CALF (BLACK)
こちらはカールフローデンバーグ社製のブラックカラーのボックスカーフ。ボックスカーフとはもともとこのカールフローデンバーグ社のカーフの事を指していましたが、次第に他社でも手掛けるようになり、同様の品質を持つカーフの一般名称としてこの名が用いられるようになりました。
ブラックのカーフはDU PUY社製よりフローデンバーグ社製の方が優れているらしく、ボナフェはブラックのカーフのみフローデンバーグ社製のボックスカーフを使うというこだわりがあります。
EMBOSSED LEATHER (BLACK)
キャビアの型押しの革も使われています。こちらはドイツのタンナー、デーゲルマン社製で、クラシックなエンボスとして数十年前より存在している革です。
TEJU (NAVY)
TEJU (BLACK)
羽根にはエキゾチックレザーが使われています。こちらはテジュー(大トカゲ)の革。大トカゲの腹部に並んだ長方形のウロコはボリュームがあり、アメリカではカウボーイがはくウエスタンブーツの装飾のパーツとしてもよく使われているものです。
CROCODILE (BLACK)
CROCODILE (NAVY)
こちらはクロコダイル。エキゾチックレザーの中でも特に高級皮革とされる革ですね。希少性の高さはもちろんですが、軽くて耐久性も持ち合わせている革であり、個性的な模様は唯一無二です!
※右足にBLACKのテジューとNAVYのクロコダイル、左足にNAVYのテジューとBLACKのクロコダイルとなります。なお、サイズによる各種レザーの配置の違いはありません。
アッパーだけでも圧巻ですね!ですがやはり靴といえばつくりが気になるという方も多いはず!村瀬氏に生産工程の写真を送って頂きましたのでご覧ください。
中でもこちらは珍しい光景のようですよ。
ラストにレザーを馴染ませるため、ハンマーで40分も叩きます。手間と時間を要するため一般的ではなく、ボナフェ以外の工場ではほとんど見られない工程なんです。ボナフェの工場では本当に丁寧に、手間をかけることを惜しまず、職人の手によって靴が造られていくんですね!
続いて底付の製法です。
見慣れないコバですね。ボリュームのあるこのつくりは、Lコバと呼ばれるストームウェルト仕様にさらにコバをつけたダブルコバ使い。本来コバのステッチを目立たなくするための目付けを、1mm幅のストームウェルトのL部にも入れています。ステッチが見える部分ではないので装飾としてのディテールであり、高い技術を必要とする工程でもあります。これにより、コバを含め3段の目付けとなります。
かなり特徴的なこのコバ使いは、イタリア国内でもよく見られる手法ではなく、ボナフェ社でもここ数年の《Le Yucca’s》ラインのみです。村瀬氏が20年弱の期間師事された人物でもあり、ボナフェ社創立よりボナフェ氏の片腕として働いていた、今は亡きMARCELLO氏が最初に手掛けたであろうコバ使いだそうです。
そしてこれらはもちろんこのようにハンドによるグッドイヤーウェルト製法で縫われています。
このように迫力のあるアッパーと製法ですので、木型はシンプルでクラシックなタイプとなっています。
1930年代の木型のトゥライン、長さを保ったまま、現代のフィッティングに改良したものです。ボナフェ氏が靴造りの修行を始めた頃、同じボローニャに当時存在していた町の靴職人店から記念に譲り受けたそうです。ややロングノーズでスマートな形ですね。履いた感じは、土踏まずがぐっと持ち上げられ、しっかりホールド感があります。
シャープなトゥながらもコバがしっかり張っている絶妙なボリューム感なので、パンツも色々な太さ、丈のものに対応してくれるでしょう。
付属品もとても豪華です。
オリジナルのシューキーパーです!シューケアには必要不可欠ですよね。素材はブナで、表面にニス塗りなどの加工を施していないため、吸湿性が高いです。
そしてこちらは一般的に量産されているトゥラインのシューキーパーではなく、写真のように吊り込みなどに使われるものと同じラストで造られたものですから、靴に完璧にフィットしてくれます。
《Le Yucca’s》のブランドロゴをモチーフにしたパーツがついていて高級感があります。
さらにもう一つ、ブランドロゴが入ったシューホーンも付属します。持ち運びにも適したコンパクトな大きさのものです。
付属品まで含めて、ご紹介しましたとおり本当に妥協のないこの商品、靴好きの方はもちろん、ファッションとして面白みのあるものを探されている方、とにかくいい靴を履いてみたいという方、多くの方に納得して頂けると思います!!