今回のブログでは新しく取り扱いをはじめたEMATYTEをご紹介します。

独学で靴づくりを学んだデザイナーのGabriele Calvettiが2015年に設立。
イタリアのトスカーナ州フローレンスの片田舎にアトリエを構え、レザーや糸などの素材調達、数回にわたり繰り返し行われるレザーの色入れ、ブラッシングによる艶出し、シワひとつない一枚革のつり込み、正確なピッチの縫製、シューズボックスに至るまで、全工程を一人で手がけています。
製作過程において特別なことをするわけではなく、手間を惜しまず一つ一つの工程を丁寧に行う。そこにEMATYTEの魅力があります。

One-piece Asymmetric Chelsea Boots / ART. S E 0
Construction : Hand Sewn Goodyear
Color : Black
Material : Horse Leather (CULATTA)

ゴア部分がアシンメトリックになったサイドゴアブーツ。
ウレタンのミッドソールに雨でも滑らないオリジナルラバーソールを備え、デザイナーがスニーカーと呼んでいるほど、軽く履きやすいモデルです。

 

One-piece Derby / ART. ST 20 B
Construction : Storm Welt
Color : Black
Material : Horse Leather (CULATTA)

ワンピースのアッパーに内羽、ストームウェルトにコマンドソール。相反するディテールのミックスを表現したローカットダービーシューズ。
迫力のあるストームウェルトが特徴で、ワークやミリタリーテイストのスタイルにも好相性なモデルです。

 

 

 


Whole-Piece Slip-on / ART. G S01L
Construction : Hand Sewn Goodyear
Color : Black
Material : Ostrich

 

ハギのないホールカットのスリッポンシューズ。
革を濡らし熱を加えながら少しずつ伸ばしていき、つり込み、形成していく、作り手の技術の粋が込められたシグニチャーモデルです。伸ばし過ぎるとつま先やかかとなど、つり込みの多い部分にシワが出てしまうこの靴は、ミリ単位の失敗も許されることがない完璧さが求められます。イタリアでもこのつり込みができる職人は片手ほどしかいないと言われており、寸分のシワなく仕上げるこの緻密さは、機械を超えた超絶技巧とも言えます。
今回オーダーしたオーストリッチは、伸縮性が乏しくつくることが非常に難しい革で、かかとに見られる模様は、鉄ごてで慎重に伸ばしていく過程で出てきた熱による模様です。まるで鋳型に入れて作り上げたオブジェのような趣さえ感じられます。

アッパーのただのブラックではない淡いグリーンやレザーソールの薄いグレーも、デザイナー本人が何回にも分けて手作業で調整しながら、色を入れて仕上げています。また、グッドイヤーとは思えないほど細いコバなど、ハンドメイドだからこそ表現できる緻密なディテールが積み重なり、機械生産では到達できない佇まいに、技術の高さが見てとれます。果てしなく続く探求心、飽くなき好奇心、そして徹底した検証により実現しています。

アートピースといっても過言ではないほどの、想いと情熱が込められているだけではなく、日常的に使う靴としての履き心地の良さ、そして美しさも妥協なく作られたEMATYTEの靴。

 

ぜひお試しにいらしてください。

 

 

キヨハラ

Posted by:chikaramachi lab.