amachi.
Layered Work Jacket / Blue Beige Marble

amachi. 21AWの展示会で、真っ先に目に飛び込んできたのは、この白いキャンバスに描かれたアブストラクトアートのような佇まいのLayered Work Jacket。

「歩行」という日常的でありながら奥深い行為を通して、得られる感覚や思考、また行為そのものについて日々記録し、再解釈することで作られた21AWコレクション。デザイナー自身の歩行の痕跡を、衣服に付着する種子、雨で濡れた衣服の色の変化、日々の散歩で拾い集めた石の形状など、身体が自然と接することで発生する要素として抽出し、デザインに落とし込んでいます。

このマーブル柄は、デザイナー自身が散歩のなかで歩行している身体と思考、精神が徐々に連動してゆき、ある種の瞑想に近いような効果を感じ、その精神状態や実際の目に入るランドスケープ、色彩を”墨流し”という染色技法で抽象的に表現したもの。

 

 

墨流しとは日本最古の染色方法の一つで、水面に染料を落とし、水面で発生した柄を布で写し取るという手法。職人の手作業によるものなので、一度にわずかしか染色できず非常に手間のかかる作業になります。また、その時々の水面の動きで柄が変化していくため、全て異なる柄になり同じものはありません。

デザイナー曰く、墨流しは人の手によって生み出されている工芸的側面と、水の動きに委ねられる非再現性の自然的側面のバランス感が、amachi.の表現に適した手法とのこと。

 

特徴的なマーブル柄に引けを取らないのが、ユニークなアイデアのレイヤードデザイン。amachi.はカルフォルニアの森林で働く人が着用していたワークジャケットを毎シーズン異なる解釈でリリースしており、今シーズンはジャケットにポンチョをドッキングするという大胆なアレンジがされています。ドッキングしても取り外してそれぞれ単体でも着用できる3WAY仕様です。

amachi.
High Neck Wool Knit Top
OVERCOAT
FLARE TROUSER / F21P07-DWSW
MARMOLADA
Chukka Boots – ELEPHANT / FG193

 

愛知県美術館で開催されていた「ジブリの大博覧」でのamachi.のアートワークは記憶に新しいですね。
ファッションとは異なるフィールドからもオファーがあり、今後もそのようなアートワークでの活躍がコレクションにも良いカタチで反映されることだと思います。

そのamachi.がつくるLayered Work Jacket。
人によっては強すぎると感じるピースだと思いますが、個人的には大好き。
少しでも興味を持っていいただけたら嬉しいです。

 

 

 

キヨハラ

 

Posted by:chikaramachi lab.