OVERCOAT
New Yorkを拠点とする「oomaru seisakusho 2, inc / 大丸製作所2″」の代表、大丸隆平氏が手掛ける”OVERCOAT”
oomaru seisakusho 2, inc は、パターン製作を主に、企画やサンプル縫製まで手掛ける日本人によるクリエイター集団。大丸氏の仕事に信頼を置くブランド、デザイナーは数多く、名高いニューヨークブランドをはじめ、パリのメゾンブランドもクライアントに抱えています。そんな、大丸製作所2の大丸氏が2015年に満を持してスタートさせたプロジェクトが”OVERCOAT”である。
OVERCOATのアイテムは一見するとプレーンでベーシックに見えるけれど、デザイナー大丸氏の頭の中はなかなかぶっ飛んでいる!・・・と僕は思っている。もちろん、ビジュアル的なものではなく考え方というか、普通ではないという意味合いでである。どう見ても普通ではない(笑)だから素直に「着てみたい」「欲しい」と思えるのだと思う。
OVERCOAT / RAGLAN SLEEVE OVERCOAT WITH TWO WAY COLLAR / F21C04TTL-NKF
OVERCOATのシグネチャー的なアイテムであるこのトレンチコートは、kinkでもお取り扱い当初より展開しているコートで、そのぶっ飛びぶりを遺憾なく発揮しているであろうアイテムでもあります。
一見すると普通のラグランスリーブに見えますが、後ろ身頃の両側に入った タックが伸縮することで腕周りの運動量を確保し 、かつ、ラグラン線上のタックにより 肩幅や肩傾斜の度合いに関わらずフィットするように設計されているオリジナルの構造です。機能的な意味合いと、それをデザインへと昇華させたOVERCOATならではなモノ作りではないでしょうか。
ウエスト部分のベルトループは上下2セット取り付けられており、ウエスト位置を変える事により着こなしに変化を与えることが出来ます。上の位置はフェミニンな印象を与え、それに対し下位置にベルトを通すとクラシカルでマスキュリンな印象といった感じでしょうか。
一般的なコートは、前身頃と後身頃で形作られていますが、OVERCOATでは前身頃と後身頃との間に、ちょうど身体の厚み分くらいのパネルが組み込まれています。そのパネルと前身頃との縫製ライン上にポケット口が設けられているのです。見た目の美しさや動きやすさ、着心地といったその全てが見事に計算されています。
袖はやや長めに設計されており、腕の長さや着方の好みによって自由に調整できる仕様になっています。
見えない内側の作りにも一切の妥協は見られません。
一重仕立てで、内側のシームに施されたパイピングは美しく、良いアクセントとなっています。
黒に近い深みのあるフォレストグリーンの生地は、昭和初期に陸軍の制服用に生産されていたサバイバルクロスサージを再現したもの。雨風をしのぎながらジャングルを駆け巡るといった過酷な状況を想定し、撥水性を備えるために高密度で織られています。 日本の軍服用素材としては馴染み深いものですが、今回はさらに特殊樹脂をウール繊維の中に練りこみ、ハードでありながらしなやかな弾力性とコシのある風合いに仕上げています。オーストラリア産のメリノウールを使い、世界3大ウール産地としても名高い尾州にて紡績、製織、加工を行なっています。
OVERCOAT
RAGLAN SLEEVE OVERCOAT WITH TWO WAY COLLAR / F21C04TTL-NKF
cantate
Like Astrakhan Cardigan
MAN-TLE
SHIRT – weather cloth / R0S8
BERNARD ZINS
H3 / 71308-200
toogood x BIRKENSTOCK
THE FORAGER SANDAL – Canvas Flint
他では見た事がない革新的なパターンメイキング。そこからのデザインアプローチはOVERCOATだからこそ出来る離れ業だと僕は思う。
デザインをパターン化するのではなく、パターンをデザインにする・・・普通なようでいて普通ではない、それはやはり普通ではなく特別なのだ。そんなところがぶっ飛んでいるのである。
イソムラ