見ていて飽きないモノがある。

‘JAN-JAN VAN ESSCHE’のコレクションはまさにそれだ。

ふと見てみると前には気付かなかった新しい発見がある。それを深掘りするのが楽しいし、そこでもまた新たな発見があったりと・・つまるところ飽きないのだ。他にはないオリジナルな部分を見て感じ取れる数少ないブランドだと僕は思う。
ゆったりリラックスしたシルエットは、シンプルなようでいて緻密に考え抜かれたパターンワークからなり、素材選びもユニークでヤンヤンのセンスを強く感じる。

彼は何を思いこれを答えとしたのだろう。なんてことを考えながら眺め、試着を繰り返し自分の中へと消化していく・・・僕らはひたすらその作業を繰り返し、モノへの理解を深めていく。

 

JAN-JAN VAN ESSCHE
PADDED JACKET / JACKET#44
price : ¥165,000 (tax inc.)

クラシックなミリタリーライナージャケットを踏襲しながらも、ヤンヤンヴァンエシュの解釈で表現するとこうなる。
ミリタリー感もあるけれど・・どこか違う。この不思議な違和感こそがヤンヤンの虜になってしまう原因だと思う。

通気性を高めるベンチレーション。

生地の折り畳みで作られる袖のカーブ・・・。このユニークな手法はヤンヤンヴァンエシュらしい部分。生地のマッド(泥)シルクは、中国、明の時代から現在に伝わる染色方法で泥染めされたもの。
泥染めと言えば奄美を思い浮かべる方も多いかと思いますが、テーチ木という樹木から抽出した染料で茶褐色に染め上げたのち泥田に浸ける奄美の泥染めに対し、中国の泥染めはサツマイモの染料で茶褐色に染め、畑に生地を平置きします。畑の泥に含まれる鉄分が生地に付着し、サツマイモの染料に含まれるタンニンに反応し濃い茶色⇒黒色となるのです。つまり、泥の色ではなく、タンニンと鉄の分子が反応してできた色なのです。奄美の泥染めと似た工程ですが、中国の泥染は生地の片面にのみ泥を付着させるため、茶褐色と濃い茶・黒の2色の面を持つ生地になるのです。
ステッチ上にドットのように浮かぶ茶褐色は、泥の鉄分に反応していない生地の裏面の色が出ているというわけ。

因みにですが、キルティングの中綿はコットンベースにウールを20%程混ぜたもの。天然繊維のみで構成されたキルティングですが、合成繊維で作られる高機能素材にも引けを取らない暖かさがあります。

JAN-JAN VAN ESSCHE
PADDED JACKET / JACKET#44
HANDWOVEN SCARF / SCARF#25
ARCHIVIO J.M.Ribot
OLD HAND AGED COAT – CO01/IN
ONE POCKET SHIRT – S11/GR
TAIGA TAKAHASHI
ENGNEER TROUSERS / LOT. 202
F.LLI Giacometti
W-monk Strap Sandal – CROCODILE / FG332

 

デザインのベースとなるライナーは、本来ミドルレイヤーとなるものですが、身幅たっぷりのこのジャケットはアウターの上に着るアウターとしても楽しめます。着丈の長いコートの上にざっくり羽織ってみましょう!こんな着方が楽しめるのも寒い季節の醍醐味です!

寒さ対策はお早めに。。。

 

今週もありがとうございました。

 

 

イソムラ

Posted by:chikaramachi lab.