toogoodが手がけるアイテムには、「THE PHOTOGRAPHER(写真家)」「THE DRAUGHTSMAN(製図工)」など、さまざまな職業の名が付けられています。
それは単なるネーミングではなく、toogoodの哲学そのものと言えるのではないでしょうか。
それぞれの職業が持つ背景や空気感を服に投影することで、機能と美、そして物語がひとつに溶け合う――toogood ならではの世界観が形づくられています。
今回ご紹介する「THE TINKER SHIRT」はその名の通り、“鋳掛け屋”をイメージソースとした一枚。
手を動かし、ものを直し、暮らしに向き合う——そんな姿勢を連想させる、誠実でどこか控えめな空気を纏っているかのよう。
素材は高密度織りのコットンポプリン。ハリ感のある生地はさらっとドライタッチで、肌離れがよく、じめじめした湿度の高い気候でも快適な着心地をキープします。
“CHALK”は、カラー名の印象とは裏腹に曖昧さのない純白。光を柔らかく受け止める自然なツヤと、装飾的な要素のない潔さが魅力です。どんな色にも馴染みやすく、それでいてほんの少しだけ静かな主張を感じさせます。
“APRON”は、今シーズンのキーカラー。
深く落ち着いた青の気配――塗り重ねた絵具の層のように、その奥に静けさと厚みを感じる美しいブルー。




身頃と袖の一部が一体化したユニークなパターンは、着用すると半袖というより、6〜7分袖ほどのやや長めのバランスに映ります。そのままストンと落とせば直線的な印象に。袖口を折り返してアレンジすれば、抜け感のある軽やかな表情に。
実用性の中に、着る人の工夫が自然と映える――そんなところにも、toogoodらしさが感じられます。


背面には、印象的な深いプリーツが大胆に入り、動きに合わせてふわりと揺れ、シルエットに陰影と奥行きを与えてくれます。このプリーツは単なる装飾ではなく、可動域を広げる役割も担っており、デザインと機能が自然に共存したディーテールと言えます。


【William Oweson Förlag】
“SQUARE/HALF” SCARF LIGHT
【toogood】
THE TINKER SHIRT – poplin
【JAN-JAN VAN ESSCHE】
LOOSE FIT TROUSERS / TROUSERS#86
【EMATYTE】
One-piece Derby Shoes / ART. D 20 B


【CLASS】
BODAIJU WOOD NECKLACE
【toogood】
THE TINKER SHIRT – poplin
【JAN-JAN VAN ESSCHE】
LOOSE FIT TANK TOP / TANKTOP#18
【ARCHIVIO J.M.Ribot】
TROUSERS – PA24/ST
【SUN/kakke × 履物関づか】
NUREZUKA
シンプルさのなかに、toogoodらしいエッジが効いている。
一見、無口だけれど、じっくり向き合うととても雄弁――。
THE TINKER SHIRTには、そんな空気感を感じる。
整いすぎていない、少し空白を残したような佇まいが、日々の気分にきっとフィットしてくれるはずです。
イソムラ