「過去の遺物を蘇らせることで、未来の考古物を発掘する」

 

19世紀後半から、ハワイのサトウキビ農園や製糖工場での労働力需要に応じるため、また経済的困難から新天地を求め、多くの日本人がハワイに渡った。

その移民文化から生まれたふたつの衣服。

 

 

 

T.T
PALAKA JACKET / LOT.319
Color : Discharged Indigo Plaid

 

1900年代初頭、日本から持ち込まれた着物や和服は、ハワイの風土や作業には不向きだったため、気候や労働環境に合わせてワークウェアとして生まれた「パラカジャケット」。

英米の船員が着ていたブルーのチェック柄のフロックシャツが起源。
格子柄や木綿の風合いが日本の”絣”に似ていたことから日本人移民にと親しまれ、作業着として広く着用されるようになる。

LOT.319-Discharged Indigo Plaidは、1910年代のアメリカ製ワークジャケットに使われていた生地をリファレンスに、インディゴ染めの糸と黄ばんだ色に染めた米綿の糸を使い、旧式力織機で織り上げたオリジナル生地。

伝統的なパラカのチェック柄を抜染プリントで表現し、仕上げに脱脂ワッシャー加工を施すことで、時間の経過を感じさせる油分の抜けたドライタッチな風合いになっている。

着丈が短く、ボックスシルエット。軽くシャツ感覚で羽織れるデザインで、ハイウエストのトラウザーズやショーツとも相性がいい。

 

 

 

 

 

renoma
B.G.
HUSBANDS
WIDE HIGH-WAISTED CHINO – Cotton drill
Anderson’s
Rubber Mesh Belt – Crocodile Wrapped Buckle
F.LLI Giacometti
Mary Jane – VOCALOU / FG633

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


T.T
OPEN COLLAR SHIRT / LOT.113
Color : Indigo Dyed Navy

 

ハワイの日本人移民は、着物や浴衣を再利用してパラカ風のシャツや開襟シャツを仕立てるようになり、それが「アロハシャツ」の原型となる。
LOT.113-Indigo Dyed Navyは、アロハシャツの代表的なオールオーバーパターンのリーフプリントを採用。
インディゴで製品染めを施すことで、柄のコントラストやレーヨン特有の光沢も抑えられ、華やかなアロハというよりは、落ち着いた印象に。
1950年代のアメリカ製のシャツをベースに、身頃はややゆったりとし、タックインもできるサイズバランス。

 

 

 

 

 

 

 

BERNARD ZINS
H3 / 60342-038
Anderson’s
Mesh Belt – Leather
Le Yucca’s
Yeb2 – VITELLO / Y34622 mod

 

 

伝統技術を使い、新たなかたちで蘇ったPALAKAとALOHA。
どちらも当時の日本人にも馴染みのある藍による染色がなされ、T.Tの考える「時の移ろいとともに美しく変化する」という日本古来の美意識も息づいている。

梅雨が明けた青い夏空に、ぜひ。

 

 

 

 

キヨハラ

Posted by:chikaramachi lab.