私たちが集めている物、その全ては特別ではありますが、その中でもスペシャルなモノというものは確かに存在します。
Isabella Stefanelli(イザベラ・ステファネッリ)
イザベラが作り出す洋服はまさにそれ。私たちの中でも特別なのだ。
例年とは違う特殊な環境下で迎えることとなった「season X」。 世界の状況が急速に変化し仕事のありかたや、取り組み方に向き合うきっかけとなったことは間違いない。イザベラもまた例外ではなく、自身のモノ作りと向き合う日々を過ごしてきたのです。そして、その中から生み出されたコレクションが10回目となる”simple shape” です。
「シンプルシェイプ」つまりは自身の心と向かい合い、思い描くままをシンプルにカタチにするということ。
Isabella Stefanelli
AMEDEO / (X)-Amedeo-Strati-CCCXCIII
今回はこの”AMEDEO”というジャケットにフォーカスを当て、その魅力に迫ってみたいと思います。
Amedeo Clemente Modigliani(アメデオ・クレメンテ・モディリアーニ)、イタリアの画家、彫刻家。
イザベラのアイテムにはそれぞれに名が付けられています。その名はすべて彼女の人生にインスピレーションを与えた偉人達のもの。彼らへの敬意を込めその名が付けられているのです。偉人達の多くは存命時、社会の中で異端として扱われていましたが、いかなる時もその信念を曲げることなく人々に問いかけ、教え説き、社会の抑圧と戦い抜きその生涯を終えていきました。そして、彼らの死後かなりの時間を経てその功績は高く再評価される事となりました。
イザベラが生み出すアイテムの背景には、そんな偉大な先人達の物語やシーズンテーマに起因しており、それらは生地、デザイン、構造、縫製、そして染色などに表現されています。
近年、イザベラが特に力を注いでいるのが手機による生地です。今回の生地は彼女が長年好んで聞いているエリック・サティの”Gymnopédie No.1”( エリック・サティが1888年に作曲したピアノ独奏曲)の譜面を織り構造に組み込んでいます。それは音の並びを縦糸の間隔で表現したもので、織り目の間隔が狭い箇所や広い箇所が混在した複雑な織り構造を特徴としているということ。また、その手織り生地にはイザベラ自らの手でランダムに糸が刺された”doodle”(落書き)と呼ばれる刺繍が施されています。
【Isabella Stefanelli】AMEDEO / (X)-Amedeo-Strati-CCCXCIII
【THE INOUE BROTHERS…】Basic Pocket T-Shirt / TIBSS21-003
【JAN-JAN VAN ESSCHE】OVERSIZE FIT TROUSERS / TROUSERS#58
【BOHONOMAD】HAWAII
小手先のギミックなどはいらず、テーマのごとくシンプルに着こなすのが良いと思う。
それでも隠し入れない存在感があるのだから。
「イザベラの服はどうして魅力的なのだろう。」
「どうしてそんなにも惹かれ心動かされるのだろう。」
まるで底のない沼にはまってしまったかのように、、、皆その魅力にハマってしまうのです。
イソムラ