TUKIを手掛ける【原田服飾研究所】から新たなレーベルが発表されました。
NORITAKE/HARADA
TUKI(ツキ)から派生し、デザイナー両名の名前を冠した新レーベル。
2019年3月に1型のジーンズとして初めて発表された。
使用されるマテリアルの多くが独自に開発される一方、そのカッティングやグレーディングバランスは主にLevi Strauss 社の過去の名作を習作したものに過ぎず、彼ら自身のアレンジやオリジナリティは極力排除されている。
異様に拡張されたサイズレンジは、トレンド性や普遍性、またはセクシュアリティといった概念自体を内包し、
美しくグリッド状に示されたそれぞれのサイズが自由の意味を問いかけてくる。
定期的な新作発表の予定はなく、シーズンに一度のみ繰り返される繊細なマスプロダクション自体にその意味を見出す。
(プレスリリースより引用)
英字と数字しか並ばない公式ウェブサイトをご覧いただくとわかるのですが、NORITAKE/HARADAは謎多きレーベルに映ります。
しかし逆に単純明確で、一つの型を幅広いウエストレンジとレングスで選ぶことができるという、ジーンズの原点的発想に思えます。
わかりやすい言葉も画像も一切ないこの余白に、人それぞれ自由にこのプロダクトを捉えることができるようにという意志が感じられるのです。
(原田さんは余白だらけと笑っていましたが。)
プレスリリースにあるように言ってしまえばどこにでもあるジーンズなのですが、このシンプルな命題に対するNORITAKE/HARADAの回答には独自の美意識の高さがしっかりと見て取れます。
シャトル織機で織られた不均一なムラや毛羽立ちを残す生機のデニムは昔ながらの素朴な風合いながら、ボタンや縫製糸はとてもモダンな演出に一役買い、リーバイズを引き合いに出しつつもへルムートラングのようなミニマムな世界観を垣間見せます。
メインのデニムは日本で織られていますが、ステンレス製のボタンはイタリア、縫製に使用される綿糸はアメリカのものを取り寄せています。これはインポート志向ということではなく、NORITAKE/HARADAの思考に応えることができるものが日本にはなかったから。良くも悪くも日本製のものは均一に優れたのものが多く、ニュアンスには弱い面があるのです。
革パッチはゴートスキンですが、ヌメ革なので洗濯も含め経年変化が存分に楽しめます。ちなみに今回の刻印はNORITAKE/HARADAが初めて発表された際のインビテーションのためにデザインされたものをそのままスタンプされたもので、初回生産分にのみ使われるようです。
この数あるウエスト、レングスの中からkink higashisakuraではあえて一般的なサイズレンジから30、32、34、36インチをSHORT、MEDIUMのレングスでチョイスしました。【TUKI】との比較ではないですが、オーバーサイズが溢れている今、きちんとジャストサイズを選ぶのも良いのではないでしょうか。
身長174cm、体重68kgのシバタにMEDIUMとSHORTのレングス比較として同じウエストサイズ32インチをそれぞれ着用してもらいました。
WAIST : 32 inch
LENGTH : SHORT
PRICE : JPY 38,000 + tax
WAIST : 32 inch
LENGTH : MEDIUM
PRICE : JPY 38,000 + tax
これぐらいロールアップする違いでしょうか?
ただしこれは未洗い状態なので注意が必要です!
こちらは展示会で用意されていた洗った後のサンプルと同じサイズの未洗品を重ねたものですが(画質が悪く申し訳ありません!)、イメージとしてはMEDIUMのレングスのものを水通しすると未洗いのSHORTに近い丈になるように思います。もちろんウエストも同様に縮みますので、2インチアップくらいで同じぐらいの着用感でした。
ワンウォッシュで販売されていることがほとんどの現在、このようなジーンズが皆さまにどのように響くのかとても未知数ですが、独特の雰囲気を醸し出すこのプロダクトを是非ご覧いただけたらと思います。
ホソエ