革の厚みや質感といった詳細な部分まで、画像から伝わるその迫力に圧倒される。

実物はいかなるものか、それは想像に難くないのではないだろうか。

 

【TAIGA TAKAHASHI】
AUTOMOBILE COAT / LOT. 801 / color : Double Mud Dyed Brown

1930年代のアメリカ製カーコートをベースとし考古学的な視点で作られたTAIGA TAKAHASHIの”LOT.801″
新生タイガタカハシのアイコン的なアイテムだ・・・っと勝手に思っている。それ位に初見のインパクトは大きかった。

無骨で男性的な面構え、「革を着ている!」と感じさせてくれる袖を通した際の重量感など、そのすべてが好みです。

ややに前に付けられたアームホールや中に入る肩位置、弧を描く袖、裾に向けてはの字に広がるAラインのシルエット。平面的なパターンではなく立体的なシルエットを作り上げることで、オリジナルが持つ無骨さを残しつつも着た時はエレガントであるようにとのデザイナーの考え。
洗練されていない時代だからこその雰囲気はあるけれど、その当時のままをカタチにするのはあまりにも野暮ったく着にくいものです。

 

革には肉厚なホースレザーを用い、樹木や植物などから抽出した天然の渋で” ベジタブルタンニング” した後、前回のブログでもご紹介した「泥染」が施されています。布帛類のガーメントダイとは違い、一枚一枚の革を泥染するためパネルごとで革の表情に違いが生まれます。大雅氏曰く、その日の天候や、職人の体調・気分によって染まり具合が変わってくるのだと言います。また、手仕事ならでは不揃いさが1つ1つの個性を生み出し、それがスペシャルなものへと昇華させるのだとも。

 

ボタンは草木染めを施したナットボタンを使用しています。
染色に使用される染料のすべてが天然由来であるということ、これもまた大雅氏の拘りの1つでもあります。

 

さて、こんなレザージャケットを着ていくと10年後、20年後はどうなっているのだろう。そんなことを想像させる魅力が詰まったもの。

氏曰く雨の日も着てくださいと、なんなら洗ってもいいとまで。そんなハードな着方をしていじめにいじめ抜いた後の姿はきっと・・・色味に変化が生まれ、着込むほどに革の油分で艶やかな光沢が生まれてくるのだろう。傷や皺が自然に刻まれその一つ一つが歴史となり10年、20年、30年・・そして100年後も存在する服となっていくのだろう。

確かに値は張りますが、長い時間を共にし着込んだ後の姿までを想像すると・・・頑張っても良いのかなと思ってしまう自分が怖い。

TAIGA TAKAHASHI

先週末のローンチより1週間、お客様の反応も上々で数々のアイテムが旅立っております。そんな訳で当店の”TAIGA TAKAHASHI”コーナーは、ありがたいことに少しすっきりしてきました。でもご安心を、18日からのインスタレーション&デザイナー在店イベント”AW/21 PORTRAIT OF A TIME”では、大雅氏のご厚意により完売アイテムのフォローや、ローンチではご用意のなかったシャツや他カラーなどを加え店頭をボリュームアップいたします!

モノ作りへの思いや拘りなど直接デザイナーの口から聞ける滅多にない機会です。
18日はデザイナー高橋大雅氏と共に、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

 

 

イソムラ

 

Posted by:chikaramachi lab.