「静寂の中にある強さ」そんな言葉がしっくりくる。

‘TAIGA TAKAHASHI’のデザイナーである髙橋氏が、自身の在住するニューヨークで見つけた1930年代アメリカ製のレザージャケットがベースとなる。

 

𝗧𝗔𝗜𝗚𝗔 𝗧𝗔𝗞𝗔𝗛𝗔𝗦𝗛𝗜
𝗔𝗨𝗧𝗢𝗠𝗢𝗕𝗜𝗟𝗘 𝗝𝗔𝗖𝗞𝗘𝗧 / 𝗟𝗢𝗧. 𝟴𝟬𝟮
𝗽𝗿𝗶𝗰𝗲 : ¥𝟮𝟳𝟱,𝟬𝟬𝟬 (𝘁𝗮𝘅 𝗶𝗻𝗰.)

 

良いですよね、この感じ。

この威風堂々たる佇まいはいったい何処からくるのだろうか。

 

しっかり厚みのあるホースレザー。この革質の着用感は好みが分かれるところではありますが、間違いなく現代ではマイノリティに分類されるはず。でも僕は好き。もちろん、軽くて柔らかくて着心地が良いものも悪くはないのだが、着込んで着込んでカタチを作り、柔らかくしたレザーの着心地は捨てたものではないし、何よりも愛着度が違ってくると思う。そう、経年後の姿を想像すると・・・男の子にとっては、それはそれはたまらない訳である。

この革はブラウンのホースレザーの上からブラックを乗せる、いわゆる茶芯レザー。これは着続ける際に頻繁に擦れる個所の表面がとれて芯のブラウンが現れてくる。それはまさしく100年前のレザージャケットのよう。

『100年前に作られた服が自分たちが生きる今も現存する。それを参考にし100年後も存在する服を今作る。』TAIGA TAKAHASHI のモノ作りはこの言葉に尽きる。まず第一に100年後に残るにはタフでなければならないということ。

 


コットンの柔らかさの中に少しだけ感じるザラッとした質感はウールなのだろうか?この素朴さがとても良く、レザーとのマッチングが絶妙。
裏地は羊毛そのままの色を生かし無染色の糸で織り上げたオリジナルのブランケット生地を使用しています。

 


アールデコの刻印が入ったベークライト製のボタンや扇型のジッパー、両サイドに配置されたバックルなど、約100年前のウェアに使用されていたパーツを、考古学的な視点で徹底的に研究し作り上げた拘りのディテールにも注目。

 

やや前に位置するアームホールや、前振りの弧を描く袖など、’Automobile’(自動車)ではなくまだ馬に乗っていた時代の名残りを感じさせる美しいシルエットを盛り込んでいます。

 


普遍的なデザインと革のもつ生命力みたいなものが混ざり合い・・・そして、醸し出す迫力。簡素な表情が故にその迫力が縁どられ際立つのだろう。下手な小細工をいれていない実に潔いジャケットです。
ファッションとは無縁の洗練されていない時代がベースではあるけれど、オリジナルが持つ無骨さを残しながらも、袖を通した時のシルエットは美しく、どこか洗練されている。

これが ‘TAIGA TAKAHASHI ‘の上手さであり魅力なのだと思う。

さて、20万円台後半のこの価格帯・・・これを高いと捉えるのか、安いと捉えるのか。想像力をフル回転すればおのずと答えは導かれるはず・・・ちなみに僕は後者だと思う。

 

 

今週もありがとうございました。

 

 

 

イソムラ

Posted by:chikaramachi lab.