T.Tのアイコニックなアイテムの1つであるLot.601 Tee Shirt
そして、同ブランドの象徴的な染色技法である奄美大島の「泥染」

T.T
TEE SHIRT / LOT. 601
Color : Mud Dyed Brown

丸胴と呼ばれるチューブ状に編み立てられた生地に、首と腕を通す穴を開け、袖を付ける。
20世紀初頭のアメリカの合理的なものづくりへの姿勢がみられる全く無駄のないシンプルなつくり。
肩傾斜が無く、ボートネックの様な首元、伸び止めのために2 重になっているネックリブなど当時の設計を抽出したデザイン。

 

 

 

 

 

 

丸胴の生地は、吊り天竺。
吊り編み機は、機械と糸を天井から吊り下げ、糸と生地そのものの重さを利用して編み上げる。1時間に1メートルしか編むことができない生産非効率性から時代とともに姿を消していったが、日本で唯一、和歌山県で稼働している。ゆっくりと時間をかけて編むことで、空気も一緒に編み込んだような、程よいムラ感のある独特な風合いに仕上がる。

 

 

 

 

 

 

 

世界遺産でもある亜熱帯の島、奄美大島に1300年前から伝わる、伝統的な染色技法「泥染め」。世界で奄美大島だけで行われている天然染色。単に泥に浸すだけではない。現地にしか存在していないテーチ木という植物から抽出した天然染料を使用し、手で直接何度も揉んで染める現代では考えられない手法。そして、テーチ木で赤く染まった服を、奄美大島の土地ならではの鉄分を多く含んだ泥田に手作業でつけることで、化学反応を起こし、独特の光沢を持った黒色が生まれる。

なぜ、泥染なのか。
デザイナー高橋大雅が、蒐集してきたもの以外で大切に保管してあるものの中に、自身の祖母にもらった大島紬の着物がある。常にものづくりを通してパーソナルで大切な気持ちをかたちにしたいという思いから、泥染によって独特な美しさを放つ大島紬の黒がなんなのかを知るため、作った服と共に奄美大島に向かったのがはじまりである。
今ではブランドを象徴する色となっている。

 

 

 

 

 

 

 

「過去の遺物を蘇らせることで、未来の考古物を発掘する」

100年前からあり100年後も残るであろうデザインを、1300年前から伝わる染色技法で染める。
自然と人の手による偶然と必然が重なり、唯一無二の色合いと、経年変化。

日本の美意識を感じさせるデザイナーの哲学と大切な想いが込められたTシャツです。

 

 

 

キヨハラ

 

 

Posted by:chikaramachi lab.