新店舗オープンから早いもので約６カ月・・・自身が新たに取り扱うこととなった前店舗東桜店でのブランドの数々。この間、理解を深め自分なりに消化しつづけてきた。
今もその過程にある。
自分のなかで腑に落ちないというのか、しっくりこないブランドも正直あった・・・cantateである。（苦笑）
エッジの立つ、所謂変なものが好きな私にとってcantateはベーシック過ぎたのか、なかなかの難題でした・・・が、
長い時間cantateの洋服に触れていくうちに、そして、デザイナーである松島氏との対話の中から少しずつ少しずつその魅力に気付き知り、ようやく解決の糸口が見えてきたのです。
表層だけをさらって見ていた自身の浅はかさを恥じるばかりでならない。
cantate / Back Satin Garbardine Bellows Jacket
直線的なシルエットと、余計なディテールを削ぎ落した無駄のないミニマルな表情。その中で一際目を引く”蛇腹”を意味するベローズ型のポケット。
とてもシンプルなジャケットだけれど、襟やポケットやボタンの大きさ、その配置などが巧みな計算のもと構成されています。
初期モデルからアップデートされた襟型は今回で2シーズン目となります。シャツとの相性も良く、コンパクトなＶゾーンにタイやスカーフを組み合わせてフォーマル、ドレスといったスタイルに落とし込むのも良いですね。
「シャッ以外は袖口の開きは必要ない」からの着想により、閉じた状態で美しいデザインに仕上げたいと辿り着いた袖口の構造。１つボタンに対し、ボタンホールを横に２つ並べることで袖口が絞れるようになっています。
両脇と底面にアコーディオンプリーツと呼ばれる折りひだを施したポケットは、正面からの見た目からは想像できないほどポケット内が広く、カバンいらずの内容量です。その大きさと位置も絶妙で、ポケット内に手を入れたときの心地がとても良いんです。
毎シーズン他では見ることができない素晴らしいテキスタイルを作り上げる”cantate”。なかでも今シーズン私たちを魅了したのがこのベローズジャケットに使用されている「バックサテンギャバジン」なるもの。
経・緯とも 2/60 のメリノウールを使用し、表はギャバジン、裏はサテンといった異なる織り組織を接結糸なしの二重織りで、生地に膨らみを持たせながらゆっくりゆっくり高密度に織り上げ、しっとりもっちりとした極上の生地を作り出しています。
表のギャバジンは適度な光沢としなやかさのある高級感溢れる表情。裏のサテンは滑らかですべすべした質感で、裏地なくともスムーズな袖通しを実現しています。
cantate
Back Satin Garbardine Bellows Jacket
toogood
THE DRAUGHTSMAN SHIRT – wool-cotton check
TAIGA TAKAHASHI
VARSITY LETTERMAN VEST / LOT. 503
ENGNEER TROUSERS / LOT. 202
Olde Homesteader
Heavy Weight Socks – Plain Jersey
F.LLI Giacometti
W-monk Strap Sandal – CROCODILE / FG332
シルエット、デザイン、そしてカンタータならではの極上の生地、そのどれもが高い水準に位置する秀逸なジャケット。派手さはないけれども、そこにはカンタータらしい独自のエッジがしっかり効いているのです。
深く知りその意味を理解する
是非一度お袖を通してみて下さい。きっとその理由がわかるはず。
今週もありがとうございました。
イソムラ
